不動産売却のDOS AND DON'TS
不動産売却では物件を商品化し市場に出す準備や適切な値決めは非常に大切です。また、近頃では物件のステージングは必要不可欠になってきています。物件に対する感情は、住み慣れた我が家に対する愛着を持つセラーの感情の方が、購入対象物件としてみているバイヤーの感情より当然として深いものがあります。しかし、売却を成功させるためのセラーの心得として、物件や売却に関わる諸事をバイヤー目線でそして客観的に考慮し対応していく必要もあります。ここでは不動産売却DOS(して良いこと)AND DON'TS(しては駄目なこと)の例をいくつかご紹介します。
DON'TS
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市場価格よりはるかに高い価格(オーバープライス)での試し売り - 「この額で売ることができれば売ってもいい。」という気持ちで物件を市場に出すことはお勧めしません。なぜなら、物件も生ものと同じ。売れずに市場に残っている期間が長ければ長い程、物件の値打ちが下がってしまいます。市場価格での売却であれば購入できるバイヤーを残念ながら避けてしまった結果となり、売却できる機会を激減させてしまったり、売れ残り感が出てしまいます。挙句の果てには大きな値下げをして売却という可能性もあります。物件は市場に出たら3週間目あたりまでが勝負です。オーバープライスは是非避けましょう。
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壊れている箇所の修理をしないでいる - バイヤーが下見の際に壊れた箇所を見つけたら、そこでマイナス要素ができてしまうことになります。バイヤーの第一印象は非常に大切でポジティブなものでなければなりません。今まで直そうとして直さなかった繰延メンテの箇所があれば物件が市場に出る前にできる限りの修理は行いましょう。また、外観を損ねているような箇所があれば、これらもできる限り直しておきましょう。
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感情的になる - 我が家として長年住んだ物件には愛情や愛着はたくさんありますし、ご自身にとっては満足しているお家でしょう。しかし、あなたの我が家はバイヤーにとっては購入対象物件で、購入すればバイヤーの我が家となる家です。バイヤーの物件に対するコメントはネガティブにしろポジティブにしろ必ず耳にします。バイヤーのコメントや行動には感情的にならずに客観的に受け取れることができる心の準備をしてください。また、場合によってはかなり低いオファー(「Lowball Offer」とも言う)を受領することもありますが、これにも感情的にならずに冷静に対応しましょう。セラーはこのようなオファーは拒否してもOK、カウンターオファーしてもOKですので感情的になる必要は一切ありません。
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コレクティブアイテムや家族写真などをそのまま飾っておく - 前述の理由と同じです。バイヤー目線でのあたなのお家はこれから購入するであろう彼らの将来の我が家です。趣味で集めた品々の装飾は取り除き、ホテル部屋のようなシンプルでニュートラルなインテリアにし、無機質な状態にする努力をしましょう。
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ペットやタバコなどの匂いに注意を払わない - ペットを所有していないバイヤーや非喫煙者のバイヤーにとっては、ペットやタバコの匂いは売却上致命的な要素になることもあります。匂いを消すためのトリートメントやカーテン・カーペットのクリーニングや交換を考える必要もあります。また、物件売出中のペットのトイレや灰皿などの管理はしっかり行ってください。特に喫煙に関しては屋外での喫煙も考えるべきでしょう。
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収納スペースの整理整頓がされていない - 内覧に来たバイヤーはクロゼット・冷蔵庫・メディスンキャビネットなどを開けることもあります。見えるところだけの整理整頓だけでなく、冷蔵庫やパントリーを含む収納スペースの整理整頓も忘れずに。
DOS
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売却準備の前に不動産エージェントに相談 - 売却のためにご自身で決めた改装をする前に是非不動産エージェントに相談し、その改装などが売却にとってプラス要素になるものか否かを確認してください。
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売却プロセスをしっかり予習 - 不動産関連のウェブサイトや不動産エージェントのウェブサイト、不動産エージェントが開催する売却セミナーへの参加を通じて、売却プロセスを学びましょう。予習することで、売却に関する不安やストレスを軽減できます。知識は力です。
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売却に関する税務を会計士や税理士と確認 - 売却に関わる税務を売買取引中にサプライズで知っては大変。売却を考えたら不動産エージェントとの相談はもちろんのこと、会計士、税理士、そしてエステートプランニングの弁護士などと相談し、売却に関わる税務や法務を確認してください。
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断捨離 - 自宅の買い替え(ダウンサイズ・アップサイズ)でも、日本へのご帰国でも、物件を市場に出す前の準備段階で断捨離を是非おこなってください。不必要な家具も含む持ち物を減らし、室内スペースをすっきりさせることは物件売却にとってプラスです。
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使用しないアイテムの箱詰め開始 - 売却準備段階からお引越し準備を行ってください。上述の「断捨離」と生活必需品以外のものの早めの箱詰めは一石二鳥です。室内や収納スペースを広く見せることができるだけでなく、引っ越し準備の手間が少なくなります。
- 不具合の修理 - DON’TSの項目でも述べましたが、不具合がある箇所の修理は小さな投資で大きなリターンや好印象を期待できます。蛇口や配管からの水漏れやシンクやタブ周りの古くなったコーキングの交換、電球の交換などはコストがあまり掛かりませんので、是非行ってください。
- 徹底的な掃除は不可欠 - 徹底的な掃除をすることで、きれいになった箇所が人の目を惹きつける「誘目性」があります。その効果を多いに活用し、物件の第一印象を良くしましょう。キッチンの蛇口やシャワーヘッドなど光るべきところは水垢をとり光らせ、タイルの目地が白であれば漂白剤などで目地をきれいにしましょう。シャワーやタブにこびりついた石鹸カスも適切な洗浄剤で取り除き、排水溝は髪の毛のない状態に保ってください。特に水回りは汚いとバイヤーを幻滅させますので、細かい注意を払ってください。壁のベースボードや窓の桟などは埃や砂埃を取り除き、しっかり拭き取りましょう。お掃除のプロを雇い、物件を「Qティップクリーン」にすることも大きなリターンを得る投資です。古くなったカーペットやフロアリングの床材はご予算があれば交換するのがベスト。そうでなければ、カーペットはスティームクリーンを、フロアリングはフロアリング専用の洗浄剤やワックスを使い光沢を出してください。
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道からみた外観(カーブアピール/Curb Appeal) - 前庭・玄関先・パティオの状態はどうですか。室内に入った時の第一印象も大切ですが、外観も非常に大切です。バイヤーはまずウェブサイト掲載の写真で物件を確認、その後で内覧希望か否かを判断することが多いですし、内覧前にまずは物件の前をドライブバイしてみる方も多くいます。ここで物件内覧の可能性を弾かれたらもったいない話です。芝生や花壇の手入れ、ドライブウェイの掃き掃除、玄関ドアのふき掃除、またダメージがある外壁などの修理は是非行ってください。玄関ドアのペイントやノブの交換、ガレージドアの交換などは手頃なコストで可能ですので、検討されてもよいでしょう。
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時にはバイヤー目線で客観視 - 不動産売買取引ではバイヤーよりセラーの方が感情的になる機会が多くなるようです。時してバイヤー目線で、そして客観視することで感情的にならずに冷静な判断や決断が可能となります。是非念頭に置かれておいてください。
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物件に関する開示は公明正大に - 不動産売買に関わる訴訟で一番の訴訟原因となるのが開示(ディスクロージャー/Disclosure)関連です。ここで覚えておいていただきたい言葉はマテリアルファクト(重要事実/Material Fact)です。マテリアルファクトとはバイヤーの購入決断を左右させる要因となる物件についての重要事実のことをいいます。典型的な例では物件内での死亡の有無でしょう。カリフォルニア州の法律では物件内での死亡が3年以内のものであれば開示する必要があります。3年以上前の死であっても、バイヤーから質問されれば答える必要はあります。死因がエイズの場合のみ、合法的に死因を開示する必要はありません。どのようなマテリアルファクトにしろ、バイヤーに開示せずにバイヤーの物件購入後にマテリアルファクトが発覚したら大問題です。どんなに不利と思われる事実でも公明正大に開示してください。
物件を見せる時のエチケット例
下記はバイヤーの内覧に際し、バイヤーからセラーへのお願いリストの一部です。バイヤーの第一印象がポジティブにそして内覧が安全であるために是非とも実行してください。
- バイヤーが内覧する際は是非外出を。
- ドライブウェイー・階段・ホールウェイに障害物がないことを確認。
- 夕刻の内覧では玄関先の電灯はONに。
- 鍵がきちんと動くことを確認。
- ペットのトイレ管理は屋外・屋内問わずにしっかりと。
- ペットはケージか屋外に。または一緒に外出することもお考えください。
- 安全のため、各部屋には電灯を設置を。
- 個人的なアイテムは整理ダンスやクロゼットに収納を。
- 消臭剤の使い過ぎは禁物。
- バックグラウンド音楽をかけておく場合は、ボリュームを「ささやく」程の静かなボリュームで。
- ガレージのアクセスも容易に。
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